「介護というものがない時代があった」ということです。
病気もいまとは違いますから、
ほとんどの高齢者が数日から数週間、
自宅で床について亡くなる。
長生きし、
かつ他者の世話を必要とする高齢者が当たり前になったのは、
ここ半世紀ぐらいの大きな変化です。
だから昔たまたま長期の介護をすることになった人は、
なおさら大変でした。
――家族に介護してほしいという人も
多いのではないでしょうか。
私たちは家族のつながりと
介護のつながりを結びつけてとらえがちですが、
家族を介護した経験がある人たちへのインタビューで
「ご自身は子どもに介護してほしいですか」と聞くと、
「してほしくない」という人ばかりだったのが印象的でした。「いかに大変かを知っているから」と言うのです。
介護が必要となることへの不安は、
体が動かなくなることや
記憶が失われることなど自分の変化よりも、
それによって家族が働けなくなったり
それまでの生活をあきらめたり、
家族に影響を与え、
いわば犠牲にすることへの不安が大きい
家族への影響を心配することなく、
どんな介護を受けたいのか、
自分の意思を安心して表明でき、
その実現を多様な人たちが助けていく。
意思の表明が難しい状態でも、
多様な人たちがそれをくみとり、支援できる態勢をつくる。
一人暮らしの人も、家族との関係が必ずしもよくない人も、
安心して生活できるようにする。
それが結果として、
介護する人の負担を軽減していくことになります。
「名もなき家事」やケア、保育の問題もそうですが、
家庭内でフタをしてきたことを、
いまは再評価する時期なのです。
ようやく見えるようになったのに、
財源論などでキャップをかければ、
また見えないようになるだけです。
当事者が語り始めたことに、再びフタをしてはいけません。
私たちは「これはあるべき状態ではない」ことを出発点に、
何が必要なのか、
臆せず求めていくべきです。
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